あなたは見たか!? 日本唯一、国宝 安楽寺「八角三重塔」の立姿。

04 09, 2012
安楽寺 八角 三重塔 Anrakuji hatsukaku sanjyunotou
Kazz日本全国古(いにしえ)の旅
八角塔1
さて・・。
ここんとこSD1merrill購入に伴いカメラの話や茶道関係の話が続きましたが、カメラを購入すれば出かけるのが必然。
・・と、いうわけで、久しぶりの国宝建築といきましょうか。

今回は当ブログで初めて登場する「塔」
所謂、五重塔や三重塔だ。

「塔」といえば、いよいよ東京スカイツリーが完成し、個人向けの予約が始まったそうだ。予定で行けば来月にはスカイツリーの全貌が一般にもお披露目される。
634m(武蔵国=ムサシ=634)の巨大な塔は電波塔として世界一を誇り、日本のモノ造りを象徴するような世界に誇れる塔になるはずである。
総合的な建造物としてはこの高さでは世界一になれないが、注目はやはりその「高さ」であることは間違いない。
人々がかつて地球上で一番高い場所、「エベレスト」に強い憧れを抱いたように、人は昔から現代まであらゆる意味での「高さ」に憧れを抱いていた。それは建造物においても例外ではなく、自分たちが作り上げるという点においても建造物が持つ「高さ(垂直)」に対しては並々ならぬ憧れがあったわけだ。
そして、同時にそれは技術力の誇示でもある。
いわずもがな、その代表例が日本では三重塔や五重塔にあたる。
「五重塔は何故地震などでも倒れないか?」
その高さとともに「倒壊」というフレーズにおいて引き合いに出されたりする五重塔は、地震の多い日本の建造物としては革新的な構造を持っていた。いや、そうした環境に伴い生まれるべくして生み出されたといってよい。
「形あるものは壊れる。」
これもよくいわれるが、当時として最先端を誇る五重塔の建築技術は1000年以上経過した今でも健在であり、現代の建築に広く影響を及ぼしていることは今更いうまでもない。
今でこそマンションの何階かの高さしかないこれらの塔ではあるが、当時の感覚では、やはり今のスカイツリーのように高度な建築技術の象徴としてそびえていたのである。

ところで、国宝建築というとまず絶対数が少ないので、所々に冠が付くものが多い。
例えば、投入堂は、
「日本最古級の神社建築」
とかね。
これから紹介する塔もそんな「冠」付きの塔である。
八角三重塔2
そこで、この塔を見て貰おう。
まず、一見して五重塔のようだが・・。よく見ると、そのフォルムに目が奪われたことと思う。

「五重塔・・か?」

詳しく説明する前に・・。
日本には五重塔がたくさんあるが、国宝と呼ばれる「塔」がいくつあるかご存知であろうか?
国宝の五重塔(三重塔なども含む。)は実に30塔存在している。216ある国宝建築の約1/7が「塔」と呼ばれる建築である。これに重要文化財「塔」を合わせると結構な数になる。
前述の通り、こうした塔は地震などの自然災害により全倒壊するということはなかなか無い。だからといってノーメンテのまま現在まで残っている訳ではなく、貴重な文化財を手厚く保護する関係者の努力によって守られているものだ。
正確に調べるまで現存する国宝塔の「数」について把握していなかったが、個人的には、意外と「多い」印象である。

話はそれたが、国宝と名の付く五重塔はそれはそれはいずれ劣らぬ素晴らしいものであり、また、それぞれに個性がある。
だが、それら個性が際立つ国宝塔群、その中でもひときわ異彩を放つこの安楽寺八角三重塔はレア中のレア。
まず、滅多にお目にかかれない形をしている。

それもそのはず。
普通塔と言えば「四角。」屋根の数こそ三重から十一重とか、色々な数の塔が存在するが、
「八角形をした屋根を持つ国宝塔」は、後にも先にもこの国には
「安楽寺八角三重塔」ただの一塔しかないのだ。
先頃屋根は吹き替えられたばかりであるが、この堂々としたフォルム。
まず、これだけすばらしい塔にはお目にかかれないであろう。
さざ波のように軒先がリズミカルに踊るその様は、ここ安楽寺八角三重塔のみが持ち得る意匠である。
とにかく、芸術的な塔である。

この安楽寺八角三重塔。建立時代はハッキリとはわかっていない。
禅宗様建築の流れが見て取れるが、これだけ構造的に複雑な二手先、三手先の組物もなかなかないように思える。
見た目もかなり古そうで、奈良文化財研究所の年輪年代測定によると13世紀前後らしい。
結構古い・・。

おっと、忘れてた。
この建築史上希に見る貴重な八角の三重塔はどこにあるのであろう?
安楽寺2
場所は「長野県上田市」
長野県上田市といえば、知る人ぞ知る信州の鎌倉とよばれる町である。関東近郊ではおそらく国宝や重要文化財建築などが最も残存している注目のエリアでもある。この安楽寺八角三重塔の他にもヨダレものの建築物がたくさんある。古建築好きなら一日、いや、三日は楽しめる場所である。近隣には別所温泉という名湯もあり多角的に楽しめる場所である。

とかく、五重塔といえば伽藍の象徴的な建築物だが、ここ安楽寺の八角三重塔は周りの感じがまるで違う。
本堂からのアプローチは平坦ではなく、かなりの坂(階段)を登る。
周りは木々に囲まれたお墓だ。
今更説明不要と思うが、五重塔自体はもともとは仏舎利塔。つまり、釈迦の遺骨を納めるための塔だ。
それを考えると何ら不思議ではないが、この安楽寺の八角三重塔があるロケーションは、妙なオーラを醸し出している。

もともと霊感など無縁の人間だが、それでも非常に静寂な凛とした空気感が漂っている。
安楽寺3_convert_20120324085938
ここまで見て、「おや?」と思ったあなたは正常です。
屋根は四重じゃないのか?
そうです。確かに屋根らしきものは四重ですが、法隆寺や薬師寺のように初重は「裳階」(もこし)ですので、正式には三重塔ということになるわけです。
八角三重塔3
四角い屋根と違い限りなく「円」に近い八角。ぐるりと取り囲む組物が隙間なく芸術的に配置される。
扉の写真もそうだが、この様こそ八角三重塔の最も注目すべきポイントである。(個人感)
安楽寺4
確かに見上げてみると普通の塔にはない感覚に苛まれる。
堂々としていながらも繊細なラインを有する禅宗様建築独特のオーラ。
複雑な構造計算ののちに建立されたこの八角三重塔はやはり異質な塔である。
screenshot_10.jpg
こうして見ると全体的な意匠は素晴らしいのだが、相輪(そうりん=テッペンの輪)がやや大きいか。
全景として周りの空間を取り入れると、この八角三重塔がどのような意味を持ち建立されたかはっきりとわかる。

ところで、こうした珍しい建築物になると、当ブログではたいしたことないCGの出番であれやこれや掘り下げるのであるが、エントリー途中にしてすでにCG制作している方がいらっしゃることに気づき、今回はちょっとした紹介程度にしておくことにする。
スカイツリーも一般公間近だが、古(いにしえ)の塔も捨てがたいですよ。

SIGMA SD15 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM (LAST CUT)
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