鬼も笑う先行予告。『金谷・富士屋・万平・奈良』日本四大クラシックホテルの華麗なる競演。

11 17, 2012
奈良ホテル1
奈良ホテル Nara Hotel
Kazz日本全国宿泊の旅

さて・・・。新カテゴリー登場です。
このブログは、ここまで、縦軸のひとつとして、「何となぁ〜く国宝建築が好きな人のためのブログ」・・というスタンスを持ってやってきました。これは以前も言ったのですが、本当は「さりげない日常をこれまたさりげなく、簡単に写真で綴るブログ」なんていうのを目指していたんです。(笑)ブログを書くのも寝る前の10分ぐらい。・・というのが理想で、そんなに依存なく、更新しなくても気にしない。なんてことを思っていました。

ところがどっこい。
根っからの凝り性のため、ご覧のようなブログになってしまったんです。10分どころか、ひとつのエントリーに丸一ヶ月も掛けてしまうとは・・。本人の方がビックリするぐらいです。(笑)
でも、毎日訪れてくれる方や、楽しみにしてくれている方がいるとやっぱり色々と書きたくなるんですよね。
もちろん自分が楽しむのは大前提ですが、やはり見に来てくれる人あっての当ブログであると思っております。
つまらないブログにいつも足を運んでくれてありがとうございます。
これからも見に来ていただけるようなブログを目指します。

早速話は変わりますが、先日少しお話しした今回の旅行で出会った「自分的に面白かった建築」
もったい付けずに種明かしをすると、それは、日本のクラシックホテルについてです。
日本の国宝建築の多くは古代以降ってことになっており、当ブログでも近代の扱いは無いんですが、決して興味が無いわけではありません。例えば、国宝建築と言うことであれば明治以降の二建築。
長崎県の大浦天主堂と、東京の迎賓館赤坂離宮です。両方とも未見です。確かにこの二建築も魅力的であるんですが・・・。
エントリーする予定は今のところ・・無いです。
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今回の旅行とタイミングを合わせたわけではないのですが、そんな近代建築の中でも、前述したように「旅」と切っても切り離せないのが「宿泊施設。」率直に言うと、最も身近なのが「ホテル」です。
自分も以前はビジネスホテルなんかに宿泊したりしていたのですが、ここ数年金も無いのに(笑)なんとなくホテルの居心地に興味が出てきて、この空間を楽しむようになってきました。観光に疲れて寝るだけでは無く、ホテルそのものを楽しむようになったのです。少しだけではありますが、余裕が出てきたのでしょうか。
そこで、その「ホテルの居心地」という意味で興味の対象は、以前から気になっていたこともあり「クラシックホテル」に一気に集まり、中でもその外観と京都・奈良の寺社仏閣が好きな自分は「奈良ホテル」がお気に入りで、以前から宿泊するチャンスをうかがっていました。
そこにはこうしたブログを書くようになった影響が少なからずあるのですが、この「奈良ホテル」に限らず、かなり前から「クラシックホテル」を通した近代建築というのにかなり興味を持っており、機会があれば是非宿泊し、取り上げてみたかったのです。
まぁ、最近までビジネスホテルを常宿にしていた身分にしては些か敷居が高いのですが、いいでしょう。(笑)
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ちょっと順番が逆になってしまったのですが、クラシックホテルの定義ってなんでしょうか?
ただ単に古いってことか?
まっ、それなら築50年のホテルでも立派に古いってことにはなるでしょうが・・。(笑)
伝統と格式。きめ細やかな完璧なまでのサービス。そこで働く人間の意識。窓枠の小さな傷一つにも重厚さが感じられるクラシックホテルは、その建物自体が重要文化財級の建物であることは勿論ですが、何より求められるのは、ホテルとして百余年を生き抜いてきた重みではないでしょうか。そして、その重みとは人により感じ方が違います。完璧なまでの気持ちの良いサービスだったり、手の込んだ美味しい食事だったり、重厚な家具に囲まれ、塵一つ無いクリーンで落ち着いた環境だったり、雰囲気の最高なバーだったり・・。
結局、それが何であるか、求めるものはひとそれぞれ違うでしょう。それらを全て望む方もいます。
クラシックホテルに宿泊する醍醐味は、後にも先にもそうした「重み」を味わうものではないかと思います。
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ところで、このクラシックホテルという言葉は、結構聞く言葉ではあるのですが、実は世間的に明確な定義は存在せず、開業から100年を超えたホテルなど(またはそれに近い年月が経過したホテル)を総称してクラシックホテルと呼んでいるようです。また、ホテルの中にはそれほど古くないのに「○○クラシックホテル」などという名称が付いているホテルがあります。もちろんそれなりに古いホテルもありますが、クラシックホテル「風」というホテルであることもあり、ここでいうクラシックホテルとは一線を画します。更に、もともとホテルとして生まれたわけではなく、古い建物を改装してホテルとして新たに開業しているホテルもあります。

さて、そんな日本には開業から100年を超えるホテルが4つほどあります。
それが、

栃木県日光市の「日光金谷ホテル」(開業1873年・明治6年・開業139年 略/K)
神奈川県箱根町の「富士屋ホテル」(開業1878年・明治11年・開業134年 略/F)
長野県北佐久郡軽井沢町の「万平ホテル」(開業1886年・明治19年・開業126年 略/M)
そして、奈良県奈良市の「奈良ホテル」(開業1909年・明治42年・開業103年 略/N)


の4つです。
奈良ホテルが100年を超える前までは日本三大クラシックホテルなんて呼ばれていましたが、奈良ホテルが100周年を迎えること(またはそれに近い時期)になり、現在では日本四大クラシックホテルと呼ばれるようになったみたいです。
先の「クラシックホテル」という俗称も、この4つ+αを指していると思ってよいのではないでしょうか。

で、扉からの一連の写真。
西の迎賓館「奈良ホテル」今回の旅でその甘美な誘惑に負け、宿泊してみました。
念願と言うことを加味し、ひいき目に見ても評価は非常に良かったです。
こうしたホテルの宿泊費は確かに安い部類には入りませんが、目が飛び出るほど高くは無いです。シーズンやプランを上手に利用すれば普通のホテルと大して変わりません。
それでいて、この面白さ。細部の意匠など細かいところを見だしたら切りが無いくらい。
「ホテルなんて興味ねえし、安くて、シャワーがあって寝れりゃいい!」
確かに時と場合によってはごもっとも。
無理強いして押しつけるのもどうかと思いますが、興味がある方はどうでしょうか。
安く泊まれるというのは魅力ですが、あまりに安くて、シミの付いた天井や壁を見ながらため息をつくようだと次の日の観光にも力が入りません。こういう時間が身体に与える影響が意外と強いことを今回は感じました。
結論から言うと泊まって良かったです。
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                 北海道小樽市の『小樽グランドホテルクラシック』

「泊まろうと思ったときに泊まる。」
結構大事ではないかと思います。
奈良ホテルほどの名門ホテルがいきなり閉業などに追い込まれることはないとは思いますが、泊まろうと思ったホテルが翌年には無かった・・。と、言う経験を一度したことがあります。

以前北海道に旅行に行ったときに非常に雰囲気のあるホテルに出会いました。
それが写真上の「小樽グランドホテルクラシック(旧越中屋ホテル)」です。
その時は正直クラシックホテルの何たるかを知るよしもなかったのですが、思えば、このホテルとの出逢いがクラシックホテルに興味を持つきっかけになったのかもしれません。
小樽には何度も足を運んでいましたが、なぜか宿泊というと縁が無く、初めて小樽に泊まったときも散歩がてらこのホテルを見つけ、「雰囲気の良いホテルだなぁ・・。」と、一目惚れしてしまい、次に小樽に宿泊するときは絶対に泊まろうと思っていました。
現在と違い事前にホテルを予約しない旅を続けていた北海道では、走り疲れた場所が宿泊地になります。そんな旅行なものだから、タイミング良く小樽に泊まることができずに何年かが経ってしまいました。
ところが、2009年、このホテルは経営不振を理由に残念ながら閉業してしまい、現在建物だけが残されています。
昭和6年に北海道初の外国人専用ホテルとして産声を上げた「越中屋ホテル。」
今にして思えば、外観とロビーの一部はクラシックホテルを思わせるものだが、実際の客室はあまりクラシックな雰囲気はないようで「普通の部屋」らしいのですが・・。(笑)
それでも、どうしても泊まりたかったホテルであるので、閉業を聞いたときに非常に悔しかったのを覚えています。
奈良ホテルがいきなり無くなるとは想像も付きませんが、そういう前例が身にしみている今、泊まれるときに泊まった方が悔いが残らない。考えたくはありませんが、天災や人災。何が起こるか本当にわかりません。
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いくら建物に格式があったとしても、それが表面だけで宿泊客の満足度が低迷すれば、そのホテルはあっという間に廃業するでしょう。
インターネットでホテルを選ぶ時代になった今、口コミ的な評判は諸刃の剣であるともいえ、悪い評判は瞬く間に世界中に拡散し、ホテルを潰しかねません。一方、逆に良い評価を得ているホテルはそれだけで宿泊対象になり得ます。
そういう意味ではホテルにとって良い意味で厳しい時代になったのでは無いかと思います。ちょっとしたミスをネットでグチグチ言われたりもするでしょう。
しかし、大概の客はそうしたものの真意を見極める目を持っているし、熟考する力があります。そこで選択し、「確かに宿泊してみたら口コミ通りだった。」としてもあきらめはつくでしょう。
ちょっとしたミスで宿泊客の気分を害せば、そのホテルがその客に選ばれることは二度とありません。
ホテル業は、個人差が甚だしい「快適な空間」を客に提供するという、ある意味曖昧なサービスを行う業種であり、一般的という線引きをしながらも個人に出来るだけ対応しなければならないという過酷な使命を帯びています。
そんな中、クラシックホテルがなぜ100余年もの間支持され続けているのか。それを自分の目で確かめるのも悪くありません。
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・・というわけで、このクラシックホテルを取り上げたいのですが・・。問題がひとつあります。
それは、当ブログが普段から行っているような極めて詳細なレポートが必要かどうか?ってことになるでしょう。
例えば、「奈良ホテルの部屋の天井って凄く高いんです!!」って書いてる人は結構います。
では、一歩踏み込んで、その「凄く高い!」って、どのくらい高いんだろう?ってことになるんです。(笑)
ちなみに、本館231号室の天井の高さは3m50㎝!!あります。(扉から2番目の写真。)
・・と、具体的に数値まで書いてる方は殆どいないようです。
まぁ、どうでもいいっちゃ、どうでもいいような話なんですけど。(笑)
こうしたように、単純に、柱がどうのとか、置いてあるアメニティのメーカーがどうとか、室内の広さがどうとか、こうしたホテルに泊まろうとする客層が、そうしたことをいちいち気にするか?といえばそれは大きな疑問です。
ですので、掘り下げる掘り下げ方、が最もポイントになるのではないかと思います。

最後になりますが、まだ何にも固まってないのにこのような予告じみたことをするのには理由があります。
これは、エントリーするためのモチベーションに影響するのですが、こうしたクラシックホテルについて細部にわたるレポートを先行してどなたかが行っていないか?ということが重要です。ざっと調べたのですが、滞在記のようなものはありますが、建築的や物語的な側面からアプローチしているものは見当たらないようです。
よって、次回からこの「クラシックホテル」と掘り下げていこうと思います。
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・・以上のように、今回のエントリーは残念ながら今回はその唾付けみたいなもので、本編はちょっと先になります。内観の方は基本的には撮影禁止国宝建築と違うので、できる限り綺麗に撮影した写真も使いたいし、なんせ多くの歴史があるホテルだけに、独特のドラマが存在します。単なる滞在記や施設紹介にとどまらず、やるからには多角的に掘り下げていきたいと思います。
四つのホテルを相対的にエントリーしていくのか、ひとつのホテルを集中的に掘り下げるのか、それも考え中です。
ホテルとしては間違いなく国宝級ともいえる開業100年を超えるクラシックホテルたち。
エントリーが自分でも楽しみです。
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                      奈良ホテル外観CG試作

さて、一方で、エントリーに使う外観CG。奈良ホテル本館は結構複雑な建築だ。一見しても横に広すぎてどのようになっているか正確にわからない。新しい建物が隣接、接続されており新旧ごっちゃになっているようだ。
本館の一角に近年資料室がオープンし、そこに縮尺模型があるのだが、それを見てもよくわからない。(笑)
一応空撮からのアウトラインで簡単に作成してみたが、雰囲気だけで造ってあって全然違うのでご注意を。
こうしたものはフリースケールで制作しても何の意味も無いので、その辺も含めキッチリ仕上げたいが、それについては、最低でも正面からの実測図が不可欠だろう。
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正面玄関の資料は、写真撮影可能なこともあり逆に豊富なので細部にわたる制作が可能だが、細部の寸法は不明。造り込んでも用途が限られるだけに意味があるのか、これまたよくわからない。(笑)
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                   奈良ホテル正面玄関車寄せ CG試作

日本広しといえど、現役のホテルでこれだけ風格のある玄関があるのは奈良ホテルぐらいであろう。
その点、普段から素晴らしすぎるぐらいの国宝建築を扱っている当ブログとしては、細かいところが気にはなるが、これだけ立派だと気になる人は「どんなホテルなのか。」と気になるはずである。
奈良ホテルのような人気のあるホテルは、開業当初の本館のみの部屋数ではとてもじゃないが宿泊客を裁ききれないため、新館が造られる運びとなり、一見して全像が掴みづらいホテルでもあります。また、景観条例に触れるこの土地では、その増築にも大変な苦労があったという。
上の一連の写真のように、当ブログの掘り下げ方としてはCGは欠かせない。正確に造りたいのだが、平面図を入手するのにかなり苦労しそうだ。(泣)
そもそも奈良ホテル自体が古い資料を探しているぐらいだから、古い図面はないものだと思っているが、奈良ホテル発行の書籍「奈良ホテル物語」の表紙は本館の1/100の実測図になっている。
こうした図面があるのかも。・・何とかなる・・・か?(笑)
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