おもてなし進行形。軽井沢 万平ホテル

03 08, 2014
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建物記ファイル0052
万平ホテル
Hotel Manpei

それは本当に偶然だった。
長野県軽井沢市にある万平ホテルに宿泊したときのことだ。
フロントから手渡された鍵。
ルームナンバーをよく見ると
『 128 』
と、ある。
万平ホテルアルプス館の128号室。
この部屋は万平ホテルにとって特別な部屋だ。
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避暑地として世界的にも有名な軽井沢には結構な有名人が訪れる。
元ビートルズ、故ジョン・レノンもその一人である。
ジョン・レノンのファンであれば彼が来日の際夏の何シーズンかを軽井沢で過ごしていたことはよく知られている。
その際常宿としていたのが、ここ万平ホテル128号室だ。
ジョンと万平ホテルの関係性を知りたければ一階にあるカフェテラスに行くと良い。後にこのホテルの名物となるロイヤルミルクティーはジョンのアドバイスによるものだったりする。

自分は熱狂的なビートルズマニアではないが、どちらかというと好きな方だ。
20代前半、ヨーロッパを放浪していた時には、ビートルズ縁のストロベリーフィールズやアビー・ロードなどにも足を運んだ。そんな時の記憶が瞬間的に思い出される。
128号室というナンバーが特別なものであることは知っていたが、普通に予約しただけなのでとても驚いた。
だから、偶然にもこのナンバーを目にしたとき嬉しくなって思わずニヤけてしまった。
そして、いかにも知ったか振りを気取り、フロントの若い女性に
「ジョン部屋じゃないですか?」
といってしまったほどだ。
女性は、
「ハイ、そうでございます。ごゆっくりお楽しみ下さい。」
と笑顔で答えてくれた。
雰囲気のある鍵を受け取ると、普段ホテルに入るのと違い少しワクワクした。
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万平ホテルは長野県軽井沢にある。
夏こそ観光客でごったがえすが、この時期観光客はそれほどでもなく。
このホテルの歴史は古く、その前身である旅籠「亀屋」の開業は1764年といわれている。
その後1894年に「亀屋ホテル」と号し、国内では日光金谷、富士屋に次いで日3番目に古いホテルとなった。
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1936年にクラシックホテルの面影そのままである現在のアルプス館が完成した。
このアルプス館が今宵の宿となる。
ステンドグラス1
フロントでチェックインを済ませると出迎えてくれたのが亀のステンドグラス。旅籠「亀屋」にちなんでデザインされたもの。

中に案内されると如何にもクラシックホテルという独特の至上空間が広がる。
内陣の様に室内が区切られベッドルームが別の珍しい意匠。やや閉塞感があるが雰囲気は悪くない。
床のカーペットはやや深めのグリーンで雰囲気を壊していない。
部屋に差し込む光は過度なく、ややダークなイメージだが悪くない。伝説的な部屋とはいえ、特別仕様では無く他の部屋とそう変わらないだろう。
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調度品は、派手すぎず地味すぎず。品良くまとめられている。
主張しすぎないのが良い。
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先にも述べた区切られたベッドルーム。
ガラスに和モダンなデザインの幾何学模様。軽井沢でもメインから外れたやや奥まったロケーションと言うことも有り、非常に落ち着く空間を造っている。
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区切られた窓側は六畳あるかないかのくつろげるスペース。
この感じは確かに落ち着く。

避暑地である軽井沢は圧倒的に夏のイメージがあるが、好きな方に言わせると秋とか冬の軽井沢が好きという方が多い。
自分もあまりに混みすぎた夏の軽井沢は好きではない。
窓から見えるやや終わりかけた紅葉が軽井沢の凜とした空気を表現しているようだ。

普段のちょっとしたドライブコースの範囲である軽井沢は自宅のある東京からの距離を考えるとどうしても一泊しなければならない距離じゃない。むしろ完全な日帰りコースであり、無理して宿泊する理由はないが今回は長距離移動の帰りだったので思い切って宿泊してみた。もしかしたら最初で最後かもしれない。(笑)
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こういう部屋に来ると普段あまり意識しないようなものに拘ったりするようだ。
「猫足」(ねこあし)とよばれるバスタブもそんなアイテムのひとつ。
家の狭い風呂で窮屈に過ごしているとたまに大きい風呂に浸かりたい。と思うことがあります。
ハリウッド映画にあるようなジーンズそのままザボン!ゴシゴシ・・・みたいなイメージから、峰不二子が泡だらけのバスタブからニョッキリと垂直に足を伸ばすような・・・そんなシーンへの憧れがあったりする。
勿論自分ではやらないが。(笑)
こうした小さなパーツが貴重なクラシックホテルタイムへ誘う。
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ふと万平ホテルの部屋にある小誌「万平ホテル 創世記の記憶」に目を通してみました。
そこにはこうあります。
「おもてなしは心なり。ホテルは、人なり。」
東京オリンピックの招致活動で「おもてなし」という日本独特の言葉がキーワードとして特にクローズアップされていますが、万平ホテルの精神(スピリッツ)は創業時からこの「おもてなし」を第一にホテルのあり方を考えています。

軽井沢の歴史は、江戸後期から明治中期にかけて廃れていた軽井沢を、あるカナダ人宣教師が夏の避暑地として外国人に紹介したことから始まったようです。
今で言う「口コミ」でしょうか。
そこから徐々に賑わいを取り戻し今日に至る。
観光客が集まれば宿泊施設がいる。
万平ホテルの前身である旅籠「亀屋」を営む9代目の佐藤万平は未来を直感し亀屋の改装に踏み切ります。

当時万平ホテルは襖と障子で隣とを隔てただけのおおよそホテルとは呼べない簡素な造りだったそうです。
しかし、そこには一所懸命に作った食事や、日本人に文化として備わっている人をもてなす日本人特有の精神で宿泊客をもてなしたそうです。
宿泊した外国人は、その精神に感激し、毎年訪れ人を増やしていったそうです。
その「おもてなし精神」が後に世界的アーティストである故ジョン・レノンの心を掴んだとも言えるのでしょう。
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クラシックホテルの朝食の位置づけはそこに宿泊する楽しみの柱のひとつです。
バイキングなどが当たり前になりつつある大型のホテルやグループホテルと違いテーブルサービスが基本であるクラシックホテルの朝食は、朝から優雅な時間を味わえる貴重なクラシックホテルタイムといえるでしょう。
料理自体は卵料理(洋食)がメインであり、量的には物足りなさが残るかもしれないが、ゆっくりと味わうことでそれを感じさせません。
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クラシックホテルのオムレツはなぜこうも綺麗なんだろうか?
勿論味の方も満点です。
朝のまだ柔らかい光が降り注ぐ中での朝食はそれだけで気持ちが良いもの。
年に一回ぐらいこうした時間を味わうことは必要なのではないか?
自分をそう納得させながらトーストのおかわりを頂いた。
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万平ホテルはもうすぐ創業から120年を迎えるにあたりアルプス館のリノベーションを行う。細部が見直され、意匠などクラシックホテル色を濃く打ち出すそうだ。
寺院などの国宝ではその不変力が試されるが、お客様を快適にというホテルの性格上そういうわけにはいかない。
それは、残念でも有り、楽しみでも有り。
で、あってもクラシックホテルの「おもてなし」は不変。
これでまた宿泊する理由が見つかった。
そして、また「おもてなし」を味わいにいこう。





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