「ある」と「ない」とじゃ大違いだった。単眼鏡(ギャラリースコープ・ミュージアムスコープ)の選び方、そして、実戦投入。

07 10, 2014
超絶リピート
さて、
再び三井記念美術館で開催されている「超絶技巧!明治工芸の粋」に足を運びました。

話しは少し前に遡ります。
最近の連続エントリーである「超絶技巧!明治工芸の粋」を見終わった後、何か、こう、シックリこない点がひとつだけあった。作品はいずれも素晴らしく時間を忘れるぐらいだったが、胸に何かモヤモヤしたのものがつっかえた。
でも、原因はすぐ分かった。
その原因とは、あまりに細かすぎて肉眼で確認できる限界があったからだ。
とにかく、細かい。細かすぎて何か見落とした感がある。
そんな思いを残したまま何となく後ろ髪引かれる思いで帰路についたのだが、やはり、どうしても細部を確認したく、「もう一度行くぞ」と決めた。
ただ、そのモヤモヤ感を残したまま再び行っても結局同じ事になるので、対策として「あるもの」を購入した。
それが、別名「ギャラリースコープ」「ミュージアムスコープ」などと呼ばれる単眼鏡のことである。

モノ好きに自分にとっての楽しいことの一つとして、ジャンル的に初めてのモノを買う時が挙げられる。
そのモノについて色々調べると知らなかったことが知識として身につくからだ。
「ほ〜っ、こういったものなのか」と。
で、今回はそう言う意味では初ジャンル。少し勉強が必要だ。
日頃から大型の家電量販店の端っこの方に「双眼鏡」は置いてあり、遊びで覗いたことなどはありましたが、購入したことはなかったし、ましてや「単眼鏡」は手にすら取ったこともない未知の世界。もちろん、ピンからキリまで。値段も形状もバラエティーにとんでいるし、多分買い直しはしないだろうから、ここは慎重に選んでみよう。

単眼鏡を選ぶ
単眼鏡に求めるものは何か?
その用途は単純明快。細部や遠くのものを大きく拡大し、より見やすくするためだ。
「オイオイ、それなら単純に倍率の良いものを選択すれば良いんじゃないか?」と、思う。
ところが、ことはそう上手くいかず、こうした問題は往々にして同居できない。
カメラに詳しい方ならわかると思うのだが、例えば、レンズを明るくクリアにすればその口径は大きくかさばるし、何より高価になる。逆に小さくすれば携帯性には優れるがレンズの性能が落ち、安価になるが大概の場合(暗くて)見にくくなる。
結局、それら相反する諸々の線引きに何処まで妥協できるかが問題となる。
そこで、購入にあたりポイントを整理し、絶対に譲れない点を何点か挙げ、バランスの良いモノをピックアップした。

1・最短合焦点距離が短い。
2・拡大倍率がそれなり。
3・価格が高すぎない。


というわけで、これらを念頭に見てみることにした。

1・最短合焦点距離
最も重要視したのが1の最短合焦点距離。
この最短合焦点距離とは、どのくらい対象物に近寄れるか。近寄ってピントが合うか。という距離を示したものである。例えば、これが「50センチ」であれば、対象物から50センチ以上離れないとピントが合わない。ということになる。これに関しては今回試した「超絶技巧」のような比較的展示ケースに近寄って見ることの出来る場合には非常に有効であった。この最短合焦点距離が長いと近くのモノを見るときにピントが合わないので対象物からある程度離れる必要があり、場合によっては使い物にならない。基本的に倍率の高いものほど最短合焦点距離が伸びると考えて良い。
2・倍率
倍率に関しては悩みどころだ。
単純にものを大きく見る。ということであれば倍率の高いものを買えば良いのだが、普通、倍率が高いものは最短合焦点距離が伸びてしまう。また、部分的にはアップになるが、見える範囲が倍率に比例して狭くなり、全体像としては捉えにくい。ブレが顕著に出るため、これまた対象物を捉えにくくなる。前項でも述べたが、倍率が高いと単眼鏡自体も大きく重くなる。これを考えると徒に倍率が高いものが良いとは限らない。
近年自分が行った美術館などの傾向を振り返って、その用途を「超絶技巧」のような細部を比較的近くで確認できるものに絞って選択候補としたので、倍率は4〜8倍までとした。これ以上だと対象から離れなければならないので自分の用途には向かない。
3・価格とモノとのバランス
これも重要な項目のひとつだ。
光学系の商品の場合、ほぼ例外なく良いものは高い。(笑)単眼鏡も決して例外なく、見やすいものは高い。
ただ、単眼鏡の場合、その幅が結構広いし、最終的な出力がカメラのように機械的に記録したものからではなく、視覚というあくまで人間が判断を下すものであるため「見た目の感覚」というのが判断材料になる。つまり、見え方というのは個人個人違うものであるので、安いモノでも「結構いけるじゃん」ということになるのだ。
もちろん、高いモノは高いモノなりの理由があり、それらは往々にして魅力的なのだが、現実問題として、大概の人は単眼鏡に何万もかけられないだろう。
その他
デザインは多くは円筒形だが、中には四角い形状のものもある。ピントは、カメラのように円筒形の部分を回す形式とスライド式などがある。ドイツのエッシェンバッハ光学club Mなどはデザインなど非常に好みであったが、最短合焦点距離が1.5mからで用途に合わないため候補から外れた。
他に、自分はメガネなどをかけるほど目が悪いわけではないのだが、これは人によっては外せない重要なポイントの一つになるだろう。あと、大概は付いてくるが、ケースやストラップなど付属品にも注意したい。
購入候補と実際の購入品
これはかなり迷った。熟考し、最終的に候補に残ったのが以下のもの。

●ビクセン アルテスモノキュラーHR6×21
●ビクセン マルチモノキュラー4×12
●ビクセン マルチモノキュラー6×16
●NIKON モノキュラー HG 5×15D
●カールツァイス モノ 4x12 T*
●カールツァイス モノ 6x18 T*


と、この6つに絞られた。
まず、この6つの大きな違いは倍率と価格。
ビクセンアルテスモノキュラーは最短合焦点距離が60センチで最も長かったが、質感がかなり好みであり、実際に覗くと、レンズは明るく非常に見やすかった。値段は実売で25000円前後とかなり高かったが、偶然にもヨドバシカメラの通販で17,000円で販売しておりグラグラ揺れた。ただ、この中では最も大きく重い。最終的には最短焦点距離がネック。
ビクセンのマルチモノキュラーはいずれの倍率も安価でありながら品物の質感も悪くない。寧ろ良い。最短合焦点距離はいずれも20センチ、25センチと最も近くまで寄れる。何より軽いし、携帯性、コストパフォーマンスは№1であろう。レンズは値段相応で、この中では最も暗いが見え方は決して悪くなかった。
NIKON モノキュラー HG 5×15Dだが、これはかなり良い。像のクリアさはビクセンよりもワンランク以上上だろう。質感は悪くないがデザインは好みの分かれるところ。自分は良いと思った。ハイアイポイント仕様でメガネをかけていてもケラれることはなく、購買意欲をそそられた。但し、実売で約18,000円とビクセン4×12の約3倍はする価格と最短合焦点距離が60センチであるのがネック。投入できる資金があれば、迷わずコレ。
カールツァイス モノは今回覗くことができなかったが(ガラスケースの中だった)レンズの抜けの良さは定評がある。多少神格化されているが、像の見やすさという点では疑いようがないだろう。最短合焦点距離も30センチ前後で問題なし。あるとすれば外装の質感の悪さ(軽さ優先でプラ)と、その値段の高さだろう。30,000円以上するので迷うことなくこれだけの資金を投入できるなら選択するのもありだが、実質的な性能がこの値段に相応するかは懐疑的。

さんざん迷って最終候補からさらに二つに絞った。
ビクセンマルチモノキュラー4×12NIKON モノキュラー HG 5×15D
確かにNIKONの方が見やすさでは一枚も二枚も上だったが、いかんせん値段は約3倍。その差額に価値を見いだせるか否か、というところだったが、どうしても踏み切れず、結局ビクセンのマルチモノキュラー4×12を購入した。
screenshot_1442.jpg
そして、実戦投入
再び足を運んだ「超絶技巧明治工芸の粋」に単眼鏡を持参し、リピーターとして足を運んだ。ちなみに、一度目の半券を持っていけば通常大人1300円のところ200円割引の1100円になる。
さぁ、早速入場し、見てみよう。
「・・ぐっ・・・!!おあっ!」
全然違う・・・。
我々が目にするこの特別展の最初の部屋は、この特別展の作家の代表作が集結した謂わばベスト版ともいえるべき最高の作品を集めてある。その最初が並河 靖之の花文飾り壺だ。
確かにこれは肉眼で見る印象とはかなり違う。細部に至るまでよく観察できる。
screenshot_1451.jpg
kazaritubo1.jpg
※あくまでイメージ。

と、まぁ、こんな感じである。細部は肉眼で確認できないところまでよくみえる。一度目に知り得なかった情報がどんどん入ってくる。(笑)一番拘りを持っていた最短合焦点距離に関しての考え方は正解だった。30㎝以内の最短焦点距離は、かなり近くにまで寄れるので自分のスタンスで見ることが出来た。立った状態で見るだけでなく、座った状態からの水平像や、やや下側からの像など、列の後ろからでは確認できないようなポジションからでもガラスケースに近づけるので助かった。ただ、立った姿勢だと実際60センチぐらいでも問題は無かったかもしれない。
美術館は大概照明を落として暗くなってはいるが、性能的に特に見にくさなどの問題は無かった。やっぱりこの単眼鏡は安くて良い。逆にあまりに細部が確認できて面白かったため、一つ一つの作品を見るのに思いっきり時間が掛かってしまい第一展示室だけでかなりの体力を消耗し、ドッと疲れた。結局、全部を見終わるのに二時間半掛かった。単眼鏡を介しての美術品の鑑賞、これはかなりのお勧めです。
screenshot_1444.jpg
総じて今回の買物には満足だったが、倍率の方は6倍でもよかったかな、と思っている。
画像の見え方は文章にするのは難しく、すべてを伝えきれないと思うが、不満を持つ方はいないのではと思う。何より安いし、軽量コンパクト。ストラップやソフトケース、レンズカバーなど付属品も完璧。これらの点はかなりの評価。
これからも色々なシチュエーションで大活躍してくれそうで、一つ持っておくと非常に便利です。

ガラスケースの中を熱心に見ていた時のおばちゃん軍団の一言。
「あぁ〜、慣れている人はああいうものを持ってくるのね・・・。」

・・・すいません、初めてです。



4 Comments
By 介護中04 19, 2015 - URL [ edit ]

まさに、今美術展を見るために単眼鏡を買いたくて、昨日ヨドバシに行ってみてきて、主様の悩まれたVixenとNikonのどっちにするか、決められず家に帰ってしまった者です。そして感じ方もまったく一緒。Nikonのほうが明るく、見やすく感じたけど、金額の差だけのことはあるのかなあ?と疑問に思ったところも同じです。たぶん、Vixenにします。ただ、ヨドバシでVixenの販売員がいたんですよ。質問したのに、当方おばさんですが、いろいろありまして単眼鏡を使いそうにない格好をしていたせいか、気のせいか冷たくあしらわれたのがちょっとひっかかっています(笑)。これってけっこう重要です。Nikonは今までそういう販売員にあたりませんでした。でもまあ、3倍近い金額の差ですからねー。
また寄らせていただきます。

By Kazz04 19, 2015 - URL [ edit ]

介護中さん 

こんにちは。コメントありがとうございます。
自分も二機種のどちらかにするか悩みましたが、やはり最後の決め手は価格の差でした。
年に何十回も美術館や博物館に行かれ、必要とする方は多少無理してでも良い物を買った方が「また、いくぞ」
みたいな気になりますが、自分の使用頻度からして勿体ない気がしたし、ビクセンとニコンの差は肉眼においては価格の差ほどとは思えませんでした。今でもビクセンにして後悔はありません。

人の格好で販売態度を変えるような販売員から買う必要は無いです。(笑)かなり気分悪いですよね。
購入日には良い販売員さんから購入できると良いですね。
単眼鏡を持って行くとなんだかテンション上がるし、作品に対する視点が変わりますので、より新しい発見があります。是非購入なさってください。

By 介護中04 25, 2015 - URL [ edit ]

Kazz様
ありがとうございました。金曜日、Vixenを購入しました。ヨドバシの新宿店で、説明をいろいろしてくださったのは、Pentaxの方でした。納得のうえ、いい買い物ができました。これからいろいろ絵を見たいと思っています。ただ、気をつけないとなくしそうです。また時々のぞきに寄らせていただきます。

By Kazz04 25, 2015 - URL [ edit ]

介護中様

こんにちは。購入良かったですね。店員さんの方も良かったようで。(笑)
おそらく介護中さんの美術館・博物館ライフに大いに活躍してくれることと思います。ケースも黒く目立たないので無くさないように。駄ブログですが、また遊びに来て下さい。
ネームから推測します。気分転換を含め、お体を壊さぬよう御自愛ください。

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