個人的注目エリア 和歌山県 国宝群。ここにしかないもの。其の「善福院」

02 14, 2015
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zenpuku1.jpg
建物記ファイル№0058
善福院 釈迦堂
Zenpukuin Syaka-dou

さて、
ようやく建築に戻ってこられた。(笑)

以前各県が持つ国宝建築の数がどのくらいで、どうのこうの・・・という話をしたんだけど、その内訳を解けば京都・奈良がダントツで多いっていうのが一般的な認識であり、かつ承知の事実。それ以外には滋賀が飛び抜けており、あとは兵庫・広島などにも結構集まっています。
そんな中、海や自然、美味しいもの、穴場的などの理由から個人的にお勧めなのが、和歌山県。
まぁ、国宝建築の数はそれ程無いのだけど(国宝建築数は7)以前エントリーした長保寺を始め侮れない国宝建築が存在します。
ここで紹介する「善福院」は和歌山県にある国宝建築のひとつ。
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車で行くとクネクネと曲がり「えっ、こんなとこに国宝があるの?」ってな場所にあります。そんなところだからアクセスは決して良いとは言えませんが、調べると最寄り駅から徒歩で30分、往復一時間。それほど遠くは無い。ちょっとした散歩には良い距離ではないでしょうか。
一応無料の駐車場があるのだけれど止めて良いのかわからなかったために近くで作業していたおじさんに聞いてみたら「大丈夫」とのこと。観光客は皆無でゆっくり見ることが出来た。また、国宝でありながら建物を囲う柵もないのでかなり近づいて見ることが出来る。ただ、残念なのは中には入れなかったこと。後に書くがこの善福院は国宝建築の中でも唯一と言って良いほどの構造上の特徴がある。それは外観からではなく内部に入らないと分からないものなのだ。
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外観を見回してみると禅宗様建築の特徴が見て取れる。まず、でかい。そして、古い。(笑)
残存する禅宗様建築の代表的な建物としたら山口県の功山寺(1320年)に次ぐ古さ。(1327年)
ただ、花頭窓がなかったり、屋根が瓦葺きであったりと印象は結構独特だ。屋根の反りも押さえられており落ち着いた印象を受ける。全体的にバランスが良い。
善福院2
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善福院は1215年に建立され元々は「廣福禅寺」というお寺だった。七堂伽藍を有する寺院だったが現在残っているのはこの釈迦堂だけ。その大伽藍の形跡は現在この釈迦堂以外見当たらないため何となく寂しい。
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軒丸瓦先端に「廣福禅寺」の文字。
裳階先端の軒丸瓦にはしっかりとその文字が残っています。

と、まぁ、ザックリと紹介しても、ここまでは「へ〜っ、でも、そんな特徴的な建築じゃ無いじゃん。」ってなもんですが・・・。
侮るなかれ、ここ善福院釈迦堂には建築的に見逃せないものがあるんです。
それが、燧梁(ひうちばり ひうちはり)だ。
・・・って、なに?
と、一見聞き慣れない用語なんですが。燧梁とは。
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現代の木造住宅では珍しくない、というか当たり前の技術である構造強化のため隅に45度の角度で梁られるこの部分(赤)、これが燧梁。
この燧梁の事の始め、つまり歴史はよくわからないようだが、中世禅宗様建築の中ではじめて登場したらしく現在その最も古いものがここ善福院釈迦堂なのである。それどころか、現在の国宝建築の中でも、この燧針があるのはこの善福院釈迦堂だけ。非常に珍しい構造上の特徴なのである。
確かに、古代の建築ではこういった梁は見ない。
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え〜・・・ここまで説明してきて何なんですが、先にも言ったとおり、結論から言うと自分はこの貴重な中世の燧梁を見られずじまい。勿論開帳される日はあるのでしょうが、辺りを見回しても管理人さんらしき人はいないし、扉も開いてはいない。そもそも柵さえ無くどうやったって中に入る術は無い。殆ど来た意味は無い・・・。(笑)
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そういうわけなんで、写真がない。(開いていたとしても内部の写真は禁止なのかもしれないが。)
ただ、ネット上には何点かあるので興味がある方はそちらを調べていただければよくわかると思います。
燧梁の実際は非常に複雑な組物で構成され、プロが見れば継ぎ方など一目瞭然なところもあるのでしょうが、素人である自分に図面の無い状態でのCG完全再現は難しい。イメージ的にザッとだとこんな感じではあるのだろうが。
正確で無いのでここからの話しの派生は難しいのだが、写真を見ると燧梁自体も非常に複雑に継いであり、「これ、どんな風に組んであるのだろう。」とかなり興味をそそられる。
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燧梁の件は残念だったが和歌山県の国宝を全部見たわけでは無いので、いずれまた足を運びたい。
燧梁を含め建築的に興味のある方で善福院を拝観する方は、必ず中に入れる事前確認を取って訪れることをお勧めします。でないと自分のようにまた行くハメになります。
ご注意を。(笑)


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