2016年 申年だからこそ猿橋を渡れ。日本三奇橋「猿橋」は独特で一見の価値あり。新相棒 FUJI X-PRO2は大活躍。

04 05, 2016
さるはしとびら
建物記ファイル№0063
猿橋
Saru-Hashi

さて、
先日もエントリーした山梨県大月市の「猿橋」なんですけれども、早速行って来ました。
自宅からだと高速使って一時間ぐらい。大月インターからも空いてれば15分くらいで着きます。
意外に、というか、かなり近かったです。
この日は曇り予想だったんですけど、そこは「晴男(はれおとこ)」の面目躍如。バッチリ晴れました!
「晴れました!」って、通常の建築の撮影だったら、そこは、「おおっ、やっぱり晴男、頼りになるなぁ」なんて冗談も出たんでしょうけど、ここ猿橋の場合は違います。
「なんで晴れるんだよぉぁ〜!」ってのが、正解です。
まっ、それは後から説明しましょうか。
saruhasi 1
建物記ファイルで橋を扱うのは初めてです。歴史・ビジュアル的にもなかなか面白い橋ですが、いかんせんオリジナルではないので、その点は少し残念です。(当たり前か)
なぜいきなりこの橋を取り上げたかというと、自宅から近くて未見だというのはもちろんですが、以前からかなり興味がありました。そもそも橋好きであるということもありますが、最も興味をそそられるのが、この橋独特のその構造にあります。
橋という建造物は、吊り橋や、トラス、構造上色々な種類に分類されるのですが、この猿橋は刎橋(はねばし)といわれる独特の建築技法により造られています。
刎橋というと、一般的には「跳ね橋」の方を連想するかもしれないのですが、「跳ね橋=船が海路を通過するために跳ね上がる橋」とはまるっきり違います。

というわけで、ザックリとした説明。
場所は、先述した山梨県の大月市、「岩国の錦帯橋」「木曽の棧(かけはし)」と並び日本三奇橋のひとつといわれますが、錦帯橋と猿橋は必ず入るものの、徳島のかずら橋、愛本刎橋など後は結構バラバラです。「日本三大なんとか」って、おらが村のあそこも入れるベさ的に、結構満場一致ってわけにはいかないんだよな。
もともと甲州街道の宿場としてのこのあたりは、武蔵国や相模から甲州へ入る際の要所とされ、この猿橋もそういう意味では非常に重要な場所でした。その様は、広重の「甲陽猿橋之図」や十返舎一九の「諸国道中金之草鞋」などにも登場します。
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猿橋のサイズはどうなっているのでしょうか。
長さは、30.9m、幅3.3m、高さ31mです。現在の猿橋は、当然ながら再建。
年代で言うと、1851年の絵などを元に、もっとも猿橋らしい猿橋を1984年に復刻したものであるということです。
でも、実のところ猿橋の歴史の詳しいことは殆ど分かってません。設計者はもちろん、その名の由来も諸説あるらしいのです。一般的に知られているのは、猿達がこの渓谷を渡る際に自らの身体を繋ぎ、反対側へ渡ったことにヒントを得たことによるものだということです。
現在は新猿橋が西側にかかり、この猿橋は実質的な役目は無く、観光用になりましたが、昔は猿橋宿という五街道、甲州道中の宿場ですから、結構な人がこの猿橋を利用していたことでしょう。

現地はそれ程の観光名所というわけではないので比較的ゆっくりとみることができます。
入場料の類いはありません。また、駐車場もあり、無料です。橋のすぐ脇の近い場所でおおよそ5台程度。少し離れたところに(歩いて1〜2分)10台程度止めることができます。
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では、簡単な猿橋のCGモデルを造ったので、猿橋にみる刎橋構造を確認していきましょう。一応側面図からのみですが、正式な図面から起こしています。ただし、幅のみ桔木の部分に光が回り分かりやすいように少し広げてあります。右側を少し造り込み、構造がわかりやすいように左側は極力基本構造のままです。
現場は意外に木が生い茂っていたりして、季節によっては(特に夏)桔木の構造が殆ど確認できない場合もあるようですが、今の季節は確認できています。
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まず、刎橋という構造の概念は、日本建築などの見られるテコの原理の応用です。そう、代表的なのが桔木(はねぎ)です。以前やりましたよね。
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【桔木の基本的な考え方】
この桔木は、テコの原理により軒を持ち上げます。当時は軒が浅く、雨漏りや雨風の吹きつけで壁が傷むため軒を深くする必要がありました。また、軒が深く取れると、建物自体が威風堂々として見えるため外観的な美徳にも一役買っていたと言えます。
もともと桔木の技術を遡ると、日本建築では平安時代が最古で、その技術はあの法隆寺の夢殿に使われていたようです。
現代では当たり前のように使われている桔木ですが、当時は大変な技術だったのでは無いかと思います。
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ハイ、あらを探さない。(笑)
まず、一見複雑そうな橋脚の部分。橋脚というのか微妙ですが、渓谷側壁に石垣風コンクリートを打ち、長さが少しづつ違う木材(実際は鉄に木材を貼り付けたもの)を組んでいく。
この斜めに飛び出た桔木ですけど、土台としての一本を除くと2対の計8本で支えています。これはある種形を変えた三手先のようなものでしょうか。非常に合理的な造形美です。
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CGでは土中に埋まっている部分も再現してみました。ここまでやるとよくわかるんじゃないでしょうか。
桔木の埋没している部分は一番長いもので約1/3。短いものでは半分以上埋まってます。現在の猿橋、繰り返しますが、欄干や踏み板は木ですが、桔木部材は当然ながら木ではなく、鉄です。それに木板を貼ってます。1851年の復刻と言うことで、現在の猿橋は1986年に造られたようですが、こうしてみると、独特の雰囲気があって、ビジュアル的にも美しい橋です。歌川広重が画に残し、国の名勝になるだけのことはあります。
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建造物なんかをCG化する多くの意味は、全容が把握できにくかったり、目視で確認できないような分からない部分を分かりやすくするためみたいなところがあるのですが、この猿橋も、はじめは構造的に何かあるのかなと思って(刎橋という以外にも)はりきってCGを造り出したんですけど、現地に行ったら思いの外写真で分かる情報が多くて、改めて仰々しく説明する必要の無いほど一目瞭然でした。あまり秘密にしているような部分もありませんし。(笑)
あんまりCG化する意味はなかったかなぁ。
とはいえ、ひとつだけ。猿橋のビジュアルに大幅に貢献しているこれ。↓
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この切妻風の小型の屋根。なんだかわかりますか?(わかりますよね・・・。)
これは飾りじゃなく腐食防止のための屋根です。よくみると、結構凝って造ってます。雰囲気ピッタリです。材質は銅板ではないようですけど・・・瓦とかだと尚良いんでしょうけど、メンテナンスが大変なのでちょっと無理ですね。
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ところで、
話しは変わるんですけど、猿橋から眺めることが出来る橋で注目すべき土木遺産があった。
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それが、八ツ沢第一号水路橋 何と、重要文化財!!
重要文化財の水路でパッと思い浮かぶのが熊本県の通潤橋。でも未見。それでなくとも現役の水路で実際に水が流れているのを目の当たりにするのは初めてです。また、この外観が渓谷にマッチしてますね。猿橋もそうですけど、ここに来れば一粒で二度美味しい的な貴重な橋(と水路)を見ることができます。見逃さないように。

最後に、以前エントリーした話しを覚えていますでしょうか?
「猿橋を撮影するなら晴れの日に行くな。」「猿橋はカメラマン泣かせの橋」
これは、日本全国の面白い橋を撮影しているスペシャリスト平野 暉雄 さんが言ったのですが、
猿橋の刎橋構造がよくわかる展望台は西側から。そんでもって、橋という構造上、桁が非常に暗く明暗が付きやすい被写体なんです。加えて、渓谷という地形も有り。
今回、天気予報は曇りだったんですが、当日は見事な晴れ(晴男)で、猿橋には午前中に到着したんですが、見事に撮りづらかったです。
で、でですよ、この日は時間もあったので、ここから更に西に行き、山梨県の国宝・清白寺を再訪しました。
2時間ぐらい居たでしょうか。
帰り道なので、もう一度猿橋に寄って確認をしてみました。
直前まで曇ってたんですが、現地に着いたら晴れ。(笑)
結局、最後の最後に少し曇ったのですが、メモリーカードの容量が一杯になり、曇りの猿橋は1〜2枚しか撮影できませんでした。
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これが、10時頃。露出補正しないと構造部分が写りません。
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これが、14時頃。西日が丁度当たり構造部分が確認はできますが、それでも明暗が強すぎてあまり写真映えしません。
DSCF1841.jpg
そして、これが同時刻の一瞬曇ったとき。これだとよくわかりますね。
まぁ、すべてのひとがこういう写真を望んではいないでしょうし、わざわざ曇りの日を選んで猿橋に行く人はいないでしょうから、写真が目的の人だけ頭の片隅でも入れて置いて下さい。
X-PRO2の方は終始安定した結果を残してくれました。ピントを外すことは、ほぼ無かったです。(99%的中)
小型・軽量で高性能。バッテリーは、RAW+JPG+終始EVFーアイセンサー無し=313枚撮影でバッテリー1個とゲージ(−1)ぐらいでした。こんなもんかと思いますが、ちょっと弱いような気がします。一応合計で3個持っておりますが、場合によっては全ての出番がありそうです。
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というわけで、甲斐の猿橋、思いの外面白かったです。
調べてみると日本には名橋といわれる橋が多く、珍橋、おもしろ橋、まだまだ一杯あります。
今年は申年だし。猿橋、渡ってみると、もしかしたら縁起良く、いいことあるかもしれないです。




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