週末はまさにロック(岩)フェスティバル! 深谷・旧煉瓦製造施設(埼玉)〜野木町煉瓦窯・旧下野煉化製造会社煉瓦窯(栃木)〜大谷資料館・大谷寺(栃木)が凄く面白かった。

03 17, 2017
DSCF1318.jpg
建物記ファイル№0066
日本煉瓦製造株式会社 旧煉瓦製造施設
Nihon renga seizou sisetsu

さて、この扉の一見何だか分からない建物写真についての話しは、次に出てきます。(笑)
エントリーについては、水戸の話を進めてたんだけど、仕事のストレス(笑)か、週末はとても部屋にいられる状況じゃないので、サクッと近場に出掛けてみた。
とはいえ、単純に温泉に浸かりに行くだけの旅は嫌だし、やはり何か勉強したり、歴史を絡めた旅にしたいので、そういった場所があるかどうかをさらに調べてみた。そうすると、・・・あるじゃないですか。
大概の人は興味あるかどうか分からないんですけど、話しは明治時代の建材、煉瓦の話しになります。
今回はそんな煉瓦の旅をすべく、埼玉と栃木に行ってきました。

では、まずは深谷からいきましょうか。ちなみになんですけど、扉の写真、この謎の建物(笑)はインパクトがあるので扉にしましたが、栃木の方のものです。

ところで、
日本といえば、世界には木造建築の国として名を馳せていますが、木造建築の「火に弱い」という最大の弱点を克服するために明治政府がとった近代化と共に建築技術も入り、各地で煉瓦造りの建物が造られるようになった。ところが、根本的な問題である地震に弱いというオチがあってかなり減っちゃうんだけど、今でも東京駅を始めとする赤レンガの建物は明治時代を象徴する雰囲気のあるものとして世間には認識されております。
それで、こういった一連の煉瓦建築の窯元はどこだろうと調べてみたら、それは東京から程なく近い埼玉県深谷市にある
「日本煉瓦製造株式会社・旧煉瓦製造施設」ということろであることが分かりました。会社自体は既に無いのですが、建物の一部は現存しており、一般公開もされています。

時にして明治の初め、政府は欧米に対抗すべく霞ヶ関付近に一極集中型の「官庁集中計画」を立ち上げ、それを象徴するパリや倫敦に引けをとらないバロック調の建物を造るため臨時建設局なるものを造りました。
とはいえ、こうした建物を建設するためには大量の建材、つまり、煉瓦が必要となってくるわけです。
東京近郊でも僅かに煉瓦を造ってはいたものの、この計画にはとてもじゃないが生産が間に合いません。また、東京近郊の製作された煉瓦や土質を調べたところ、脆すぎたため求めている建材としての煉瓦には不適格で、まったくもって使えないことがわかり、結局、関東圏の地質を調べる運びとなりました。
一方で、政府には金が無いため工場を官営と出来ず、資金面と工場設立の両面から実業家の重鎮である渋沢栄一に白羽の矢を立て(泣きすがり・笑)、大量生産が可能な煉瓦工場の設立を要請しました。
渋沢栄一といえば現在の埼玉県深谷市出身です。渋沢は古くから地元周辺で瓦生産が盛んなことを一案に、これが煉瓦に適しているのでは無いかと考えチームと調査をします。結局、この考えはずばり当たり、この地が煉瓦生産に最適だというお墨付きを貰うことが出来ました。
最終的に、埼玉県深谷市が選ばれた理由はいくつかあり、まずは、
元々瓦などの生産が盛んだったこと、
煉瓦の材料として良質な粘土がとれたこと、
東京までの舟運が見込めたこと、などが挙げられます。

こうした政府の難題を渋沢栄一は地元の上敷免村にすることで一気に解決し、工場の建設が始まります。
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その拠点となったのがここです。何にせよ専用の鉄道線を敷設していたぐらいですからその規模は半端ない・・・はずなんですが、現在は建物らしき建物は殆ど無く、別の会社が入っているようです。
現在一般公開されている旧煉瓦製造施設ですが、入場は無料で駐車場も無料。10台ぐらいは駐車できます。
見所は、重要文化財に指定されている旧事務所・変電室・唯一残った「ホフマン式輪窯六号窯」です。いずれも重要文化財に指定されています。
まず、事務所なんですが、珍しい木造の洋風建築。ゲートの煉瓦も当時のままだそうです。但し、建物は移動して現在の場所に置かれたそうです。
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当時の会社のシンボルマークです。オリジナルだそうです。
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旧事務所の中は現在資料館になっています。当時はドイツから技術招聘された煉瓦技師チーゼの居宅兼事務所だったそうです。貴重な文献や煉瓦の展示なども有り、かなり詳しくなります。(笑)
そして、メインの「ホフマン式輪窯六号窯」です。
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まず、外観なんですが、ごらんのようにもの凄くでかいプレハブ小屋みたいな中にでかい煙突が突き出ているだけの簡素な建物です。現代のトタンによって覆われた建築的にもこれ以上でもこれ以下でも無い建物です。見た目は。(笑)
けれど、煙突の中央部のデザインが変わってますね。本来ならストレートでも良いんですが、強度などの問題でしょうか?特に意味は無いのかもしれませんね。
深谷4
見た目はこんな感じですが、さすがに重要文化財。警備は厳重で自由に出入りすることはできません。ガイドの方に付き添っていただき中に入ります。入口は右側。
ちなみになんですが、ここホフマン六号窯、以前は事前予約制で、なおかつ10人以上が必要でした。今回私も見ることは出来ないと思っていたんですが、二人にも拘わらず案内していただきました。聞くところによると、少し前から10人以下、予約無しでも案内しているということでした。そういった情報が無かったので、これはラッキーです。ただ、一応訪れる前に電話した方が良いと思います。
ふかや6
煉瓦窯に入るなんて初体験ですので少しワクワクします。人が中で作業するので、それなりに大きくないと効率が悪いかと思いますが入口は結構狭いです。が、入口こそ屈まないと入れないぐらいですが、予想以上に中は広いですね。
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地下迷路のような独特の空間です。
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先ほどの資料館に六号窯の模型(撮影可)がありましたので、ここで見てみますと、内部はこのようになっています。
今、入口を入ったハーフパイプ状の燃焼室にいます。一応この窯は「輪窯」ということなんですが、実際は円形では無く、楕円形というか、陸上競技場のようなオーバル型のようです。ですので、直線部分があります。この直線が25mぐらいあるそうです。
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全体的な考え方としての一階部分はこんな感じだと思います。ハーフパイプ状のオーバルみたいな部分が燃焼室で、一般の人が見学できる部分は、カーブの突端部の一部。煙突の根元とかはちょっと見ることができないんですけど、煉瓦を焼くシステムの大まかな部分は体感できると思います。
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このオーバル部分全てに煉瓦が積まれ、その部屋を18部屋に分けます。一つの部屋に18,000個を積み上げ一気に焼き上げます。計算では約320,000個程度の煉瓦が焼き上がるわけです。ひえ〜・・・。
ここで東京駅の駅舎の煉瓦などが焼かれたと思うと意味も無く感動。
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焼き上げるイメージが掴めなかったんですが、壁を見ると所々穴が空いており、この穴から燃焼した粉炭を投入します。
この六号窯は現在一階部分しか見ることができませんが、実は三階建ての建物で、最上階は熱を利用した乾燥室になっています。一度火を入れると三交代制で火を絶やすこと無く焼き上げたそうです。

六号窯は広いんですが、見学は一部分しか見ることができません。でも、多くは見学できる部分と似ている構造なので充分です。今まで煉瓦の大量生産現場を見たことが無かったので大変勉強になりました。
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資料室には数々の煉瓦が並びます。(撮影可)
刻印によりどこ産のものか分かるようになっています。
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先述したんですが、ここ旧煉瓦製造施設には敷地内にもう一つ重要文化財があります。
それが、この旧変電室
敷設された専用線を蒸気から電動機に切り替えるために市内で初めて電灯線を引き、変電室として建てられたそうです。
それ程大きくなく、間口が約6m、奥行きは4mの建物です。内部は残念ながら非公開です。
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そして、重要文化財が少し離れた場所にもうふたつあります。
それが、この備前渠鉄橋歩いてすぐです。現在は遊歩道。
高崎線深谷駅〜工場までの約4キロを結んだ日本初の専用線。その遺産です。
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それで、わずか何メートルか先に付属する煉瓦アーチ橋が隠れてます。こちらも重要文化財です。
小さいながらも完全な煉瓦アーチ橋として使用された貴重な文化財です。
一度見逃して戻ったぐらいですので、見逃さないように。

というわけで、
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深谷の旧煉瓦製造施設は個人的にかなり面白かったです。勉強にもなりましたし、観光客は土曜日にも拘わらずそれ程居ないのでゆっくり見ることができます。ただ、突然世界遺産になるかもしれないので、(笑)今のうちに行っておくことをお勧めします。

そして、
冒頭の写真に戻ります。
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こちらは栃木県の野木町にあるもうひとつのホフマン式輪窯「野木町煉瓦窯」
深谷の六号窯とはかなり見た目が違います。オーバル型の六号窯に対し、こちらは16角形!!しかもむき出し!
歴史を兼ね備えた16角形のこれだけの建造物が日本にあったとは!!
このビジュアルだけでもなんかワクワクしませんか?(笑)かなりテンションが上がります。
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この野木町の煉瓦窯、深谷との決定的な違いは、二階まで見学可能なこと。これにより、より詳細に、深く煉瓦製造を知ることができます。
次回は少しだけ、こちらをエントリーします。



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